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建築家って何 [設計の仕事]

建築家って何?
娘からの質問

30過ぎの一人娘から“伊藤潤一ていう建築家を知っている?”と聞かれた。“知っているよ。”と答えた。そうすると娘が“有名なんだ。”と言った。最近のデザイン傾向に関心があり、偶然にも知っていた。“有名と言うわけでなく、面白い建築をデザインすると言うだけで、パパはあんなデザインは出来ない。” さらに“社会性をともわない建築は、本当の建築ではない。”と言った。そして、“社会に向けて発信している『社会に貢献しているのが本当の建築家だ』例えば、槇文彦、坂茂、などほんの一部しかいない。”と言った。 私のデザイン哲学になってしまって、娘にはどうも愚痴しか聞こえなっかたようだ。

そしたら、娘が“じゃーパパは?”

大学からひたすら、ずーと建築の設計関係の仕事をしている。住宅からマンション、劇場、病院と設計と監理をした。40歳に独立して、今年2022年で22年目になる。


著者/馬場璋造『信頼される建築家像』
を読んだ。

「信頼される建築家になれるか」建築家が関わることで、社会やクライアントの想像を超えるものが創造されなければ建築とはいえない。

経済では、信用と言う言葉を使っても、信頼と言う言葉を用いることはほとんどない。

信頼は信用を超えて倫理や人間の心情的側面に深く関わっているからである。…より美しい姿、文化を生み出す人間の営為がデザインなのである。…現在の人間社会にふさわしい美しい建築、文化としての建築…。
信用を信頼に転ずるのは容易ではない。経済社会の一員でよいと自認するならば、信用をえるだけでもよいだろう。
よりよい社会づくりに寄与し、文化をかたちづくる責務が建築家にあると考えているのであれば、信頼される建築家になりたい。

<私の設計姿勢>
設計依頼されたある出来事


建築は一生残るので、良くできて当たり前、クライアントが想像する以上のものが出来て当たり前なのだ。
私の設計は、クライアントの要望に責任をもって答えようと努力はするが、驚きを与えたことはない。

雨漏りが想像される建物、汚れやすい形、アクロバットな構造形態などが怖くて出来ない。冒険心がないと言えばそれまでだが…。メンテナンスを考える。どうしても安全・身体によい健康な設計になる。

「昨年、住宅の設計を依頼」


岩崎005.jpg岩崎014.jpg







連続性、水平ラインと強調性を押さえた形づくり 社会・環境を考えたデザイン



西東京市のIさんには、今まで2度のリフォームを依頼された。15年前からの付き合いをしている。今回の新築工事では、クライアントの健康を考えて、様々な勉強会に参加した。しかし、住宅の勉強をすればするほど、断熱材の問題点、化学繊維の問題点、構造材の集成材、同時に金物など多くの問題点があり、怖くなる。

一方で、自然素材を使えば使うほど、だんだん工費が高くなる。坪60万円では難しくなる。クライアントの要望もだんだんスペースが大きくなる。その都度、これだけ高くなると言った。

そこに、三井住友が現れ…。持って行かれてしまった。信用は得ていたが、信頼まで及ばなかったのだろう。
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