SSブログ

軽井沢千住博美術館 反転空間 [建物と街散歩]

建物見学 
『軽井沢千住博美術館』
 建築家西沢立衛設計事務所 安井秀夫アトリエ(ショップ・カフェ棟)www.senju-museum.jp

「ドライブ当日20130504」
家を午前5時20分に愛車のBMに乗って出発、スムーズにナビの通りに午前7時、碓氷軽井沢インターに着いた。2時間近くを安井さんの設計したカフェ(ブランジェ浅野屋)で朝食をとりながら時間をつぶした。隣の人からこのパン屋さんは、東京に支店を出店し、美味しいことで有名だということを知った。

朝食.JPG
食べかけだけど、記念と思い、1200円

『軽井沢千住博美術館』
  日本画家/千住博氏と建築家/西沢立衛氏との出会いは、バスの中だそうだ。 千住さんが、西沢さんを建築らしくない建築を設計する建築家と言い、西沢さんは、千住さんを日本画らしくない日本画を描く画家と言い合って意気投合したということが美術館の書籍に書かれていた。この建物、絵画を見て、その通りと思った。 美術館のアプローチは駐車場から、パン屋さん側からはじまる。(道路側からもある)
外部0JPG.JPG
外部2JPG.JPG
外部4JPG.JPG
建築帰り道JPG.JPG
歩道の両側に植えられた植栽・樹木は素晴らしい。植栽について、カラーリーフガーデン、カラーリーフとの言葉をはじめて知った。www.kshm-event-shop.info/colorleaf/ ここの造園が素晴らしい。どこの造園家が設計したのだろうか。アプローチは西沢さんがしたのだろうが、樹木・カラーリーフの植込みが本当に(建物内部から見る光景も想定され、レイアウトを考えられ)素晴らしい。そして、玄関、チケット売り場、ロッカーに入る。ここは無人。自動扉を開けて受付カウンターでチケットをもぎる。
外部1.JPG
「広場が好きな私からこの建物が見える」
私は、傾斜した床(モルタル仕上で、クラックが目立つ)の建築は初めて見る。全体が傾斜している。車椅子の利用も考えた勾配、傾斜した床(高低差3m)を設計。傾斜した床、曲面ガラスは人によっては目まいがするかもしれない。(撮影は禁止だが、失礼しました)
内部5.JPG
内部4.JPG
そして、数少ない鉄骨構造柱は直径12~15cm、柱のない建築と言っても過言ではないぐらいだ。
「外部と内部が反転した空間構成」
建物内部と外部が一体化しているとはこのことだろうかと思わせてくれる建物だ
。パネルスクリーン越しに見える外部の造園が絵画のように見え、傾斜した内部が外部にある広場にいるような錯覚さえ感じた。絵画は看板、ポスターの衝立のような、曲面したパネルに納められた絵画。全てが新鮮に見えた。本当に建築らしくない建築、ディテールの無い建築だ。

内部2.JPG



内部1-JPG.JPG


「傾斜した床」

傾斜した床には様々な楽しさが含まれている床も切り方によってフラット。そして、遠近法を生かせる空間構成が出来る。シエナのカンポ広場を思い出す。

傾斜した広場、シエナのカンポ広場、アレッツォのグランデ広場に衝立を立てているような感じだ。傾斜した床は、写真で見るように、見方によって一人一人が浮出して見える、足が長く、足が短くと様々な見え方をする。長いベンチもあり、ゆっくりできる愉しい美術館だ。
一人のミニスカートで、翼の長い帽子をかぶった20代の女性が絵画のように目立った。
ここがイタリアなら“どちらから”と声を掛けただろうが…。

「建物内部が外部となり、中庭と外部が建物内部とも感じる建物」

2時間近く、ゆっくり楽しむことが出来た。滝、水の流れの絵画も素晴らしいが、絵画を屏風のように展示したり、「ナイトフォール」の展示室、月の明りで見る滝のように見え展示方法にも新しい発見があった。
建物も素晴らしいが、造園、“カラーリーフ”の草木、樹木のレイアウトがそれ以上に素晴らしかった。絵画と外構が一体化した素晴らしい建築だ。だれしもイメージするかもしれないが、それを実現化し、理解してくれた施主(床のヒビ、軒天、屋根材の折り曲げカ所の錆)も尊敬に値する人だ。
建築シールJPG.JPG
建築シール2JPG.JPG

nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

トラックバック 0