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お薦めの本 永遠のゼロ 百田尚樹 [私の読書]

『永遠のゼロ』 百田 尚樹


ラジオ放送で百田直樹さんを知った。人柄に興味を持ち、作品『永遠のゼロ』のタイトルに魅かれて読みはじめ、そして今日読み終えた。
百田さんの人柄を知ることができるブログhttp://www.mishimaga.com/hon-watashi/045.html

特攻隊員の生き様を描いた『永遠のゼロ』250万部のゼロが「零戦」の事とは知らなかった。
また「零戦」がこんなに素晴らしい飛行機だとは思わなかった。
同時に、どうして戦後、日本製の飛行機を造らなかったのだろうかとは思ったが…。


さて、この書籍は“零戦のパイロット宮部氏を通じて、戦争の悲惨さを分かり易く書かれている。”戦後生まれの僕さえ、涙無くては読めない話だ。

戦争の無残さは、読めば分かる。

印象に残った言葉は、幾つかあるがその中で、“人の運命はささいなことで大きく揺れるという。私はつくづく運命の不思議を思う。”それだけに、人との出逢いは大切にしないと思っている。

解説者の児玉 清氏が、百田さんについて以下のように絶賛している。

“百田尚樹氏のデビュー作である本書『永遠のゼロ』と出逢えたときの喜びは筆舌に尽し難い。それこそ嬉しいを何回重ねても足らないほど、清々しい感動魂を浄化してくれる 稀有な作家との出逢いに天を仰いで感謝の気持ちを表したものだ。”



百田尚樹氏の作品を読んだ2作目 『ボックス』おもしろかった。

解説者 北上次郎氏 
すごいすごい。感動と興奮のボクシング小説だ。大阪の高等ボクシング部を舞台にしたスポーツ小説だが、迫力満点のシーンが頻出して、読み始めたらやめられなくなる。身体の芯までじんとしびれるボクシング小説の傑作だ。”

もうその通り、傑作な小説だ。私は、電車、バスと2度も乗り越しをしたぐらいだ。想像と違ったボクシングの結末、そして主人公のボクシング後の人生など書かれて楽しかった。

また、天才の鏑矢氏を好きだった丸野さんが亡くなってからのボクシング部の変容ぶりは凄まじい。

そして、部の顧問として参加した高津耀子先生は、ボクシングを冷静な目で見て評価していた。その彼女が、作家の百田さんと思った。



3作目 『影法師』やっぱり泣いてしまった。

2012年12月、郷里の親友が、火災で他界した。唯一の友だった。年に1回程度しか会わないが、何かあるたびに電話をしていた。もう気軽に電話のできる友はいなくなった。父は7年前、母は3年前。郷里に帰ることもなくなった。母と彼がいるときは、夜行バスで帰郷し、山部君、中西君、お世話になった藤原さん、そして父と祖母の墓に行く。そして、母に挨拶をして、友人の家でごろごろそんな行程だった。それが、墓参りしかなくなった。彼が亡くなるとは…。


そんな私が、この本『影法師』を読んで泣いた。

人は一人では生きていけない。かならず、誰かに生かされている。生きることは、世の中に必要とされていることだから、無駄な人生を送らないようにしないといけない。


3作目 『風の中のマリア』

ハチの中の世界をマリアの目で読んだ。そして、人間の世界に置きかえながら考えた。
他の作品と同じ、凄まじさはある。女王ハチを守り、純粋に生きていこうとする姿には考えさせられる。しかし、やはりハチの世界だ。泣けなかった。


解説に養老孟司さん“実に稀有な面白さを持った不思議な小説である。…世界が広がるはずですよ。”

趣味に昆虫採集で有名な養老さんの解説。将来、“日本昆虫センターを作りたい”と言われ
いるとか。






私が読んだ4作目この本は、小説家百田尚樹の第二作、 『輝く夜』

5話で構成された『輝く夜』。どの話も泣いてしまった。両親が他界、昨年12月親友が火災で他界。涙もろくて、すぐ涙が出る。

この本を読んで“百田さんは、読者の落としどころをよく知っている人”だと思った。

5話とも女性が主人公、最初の2話では“一生懸命に生きていれば何かいいことがあるよ”と言いたいのだろう。3話では、“夢を持って生きること”のすばらしさ。4話では“奇想展開の人生、生きることの楽しさ”5話は“愛する人のために生きること”。


解説には、太田出版社代表岡 聡氏を読んで、百田さんのことをうまく表現していると思った。

永遠のゼロの次はボックスを書くことになっていたが、「日頃はつらい思いをしている女の子も夢みたいな報われる日があってもええやないか、っていう話なんや。絶対面白い話になるよ!」そして、百田さんが“関西1ナレーションを書くのがうまい”と言ったことがある。

そして、『錨を上げよ』の作品は、デビュー前2000年に、下書きを見たそうだ。早く読みたくなった。





私が読んだ5作目、成形手術の世界に迫った『モンスター』70万部、を読み終えた。
毎回彼の作品を読んで泣いたが、今回の作品は、泣くこともなく後味の悪いストーリーだった。この作品が映画化されるそうだ。

女性と男性の心理をうまく描写した百田さんには、さらなる次の作品に魅かれる。
佐伯泰英を読み始めた時には、時代小説しか読まないと思っていたが、ここしばらく時代物は読んでいない。


『モンスター』
高校生時代に『モンスター』と呼ばれていた主人公、整形をくり返す主人公“田淵和子”の人柄に途中から引き込まれていった。

主人公田淵和子は、整形をくり返しながら、女性の美を追求した。
純粋な愛を信じて、生きた一人の女性を描いている。幼児期の思い出を信じて

そして、途中結末が見えたと思ったが、違っていた。毎回驚かされる結果で終わる。

エピローグの最後の言葉“もし一緒にいて、倒れたママさんをほうって逃げたとしたら、そいつは最低の男だよね。”
もし、自分のことを英介に話さなかったら、彼はどうしただろう?、彼女は助かっただろうか?と考えさせられた。

また、崎村に求婚され、結ばれていれば、幸せな人生を送っただろうか?と思った。
色んなことが考えられ、私にとっては後味の悪い作品だった。



6作目の本『錨を上げよ』 2013308

百田さんの31歳までの人生を書き上げている長い上下巻の本だった。今日読み終えた。

いろんな事を経験している人だなーと思った。良い悪いは別にして、非常な波乱万丈の人生を送っている人だ。

自分に甘く、人に厳しい人と思いながら、いら立ちを感じながら読んだ。これは、読者である
私を彼の人生の物語にひき込んだ、つまりは作家としては成功しているわけだ。

バンコクでの影山氏の出会いが、彼の人生に大きな出来事だった。
そして、主人公は保子と結ばれて…。と思ったが、人生はなかなか思い通りにはならない。

また、男性はロマンチストであり、保子を見て女性は、クールだなーと思った。

32歳からの第二の人生はどうなのだろう?

波乱万丈であったが、現在の百田尚樹を見ると、全て無駄なことは無かったわけだ。

「探偵!ナイトスクープ」のメイン構成作家の人生も知りたくなった。



7冊目の本『プリズム』

多重人格の岩本広志の中の村田卓也に恋をした梅田聡子、主人公の物語。
物語は、不妊治療に疲れた梅田聡子は成城にある岩本家で家庭教師を始める。

後半からの引き込まれて、聡子の感情の盛り上がりは面白かった。
でも、他の作品に比べると、テーマの多重人格内容のわりには、今一かなー。テーマが難しすぎるのだろうか?

百田さんも多重人格について、あまり勉強しすぎると、途中内容が希薄だった。

聡子のご主人も、村田卓也の話を聞いてもおもしろくないだろうな。
そして、セックスレスの生活、彼女の生活には問題だらけ。30歳代の夫婦生活はこんなのかなーと思いながら読んだ。歳とると読み方も変わるのだなー。


8作目 『幸福な生活』

どすの利いたストーリーと言うのだろうか?最後の落ちが、どのストーリーにもある。

最後の短編、幸福の生活を読んで…
自分の人生、63年間。結婚生活35年。色々あったが、今が一番忙しいが、それが良いのかどうか、今さらそんなことを考えても。

短いストーリーで、通勤時に読むのは良い。でも、ハードカバーで重い。
さあ次の作品を読むぞ。専門書を読んでいるよりは楽しいなー。何だろう、建築も好きだけど



9作目 『海賊とよばれた男』140万部突破、20130410
抜粋“日本人が自信を失っている中、「生きるすばらしさを伝えたい」と百田氏が使命感に駆られて、戦後の日本における石油の安定供給に尽力した人物である出光興産の創業者、出光佐三(1885~1981年)の生涯をモデルに、実在の事件「日章丸事件」に基づき石油会社の経営者である「国岡鐵造」の波乱の人生を描いたドキュメント小説です。”


百田尚樹氏の集大成だと思った。面白い。
最後まで、ひきつけられ、涙無くては読めない物語だ。
最後まで読者を楽しませてくれる。

その舞台裏を朝日新聞2013.7.13で知った。
出光佐三、1953年、英国と抗争中のイランと石油の直接取引に成功、世界のどきもを抜いた人物だ。その実直な人なりを知り、「泣きながら書いた」という。3カ月かけて第1稿が完成。さらに4カ月かけて4,5回書き直した。その間、胆石を患ったが手術する時間が惜しい。そのまま執筆を続け、何度も救急車で病院に運ばれる。

出光さんの凄まじい一生を知った。
本よ読み終えて、2013年の本屋大賞をとったことを知った。百田さん、良かったですね。



ということで、2012年の本屋大賞『舟を編む』を読みたくなり、書店で購入。読んだ後、3割で引き取るとのこと。びっくり。
『舟を編む』作者 三浦しをん国語辞典を作成するまでの15年間を描いている。20歳~40歳代には面白いかもしれないが、60歳代になると内容がものたらなかった。



10作目のノンフィクション『「黄金のバンタム」を破った男』

ファイティング原田のボクシング人生、百田さんも学生時代にボクシング部に所属、またボクシングが好きだから、表現、捉え方がおもしろかった。

解説の作家の増田俊成氏は、百田さんのことを“物語ることの重要性をもっとも知っている作家”として、作家同志の中で「どの作家が目標か」ということで、百田さんが目標だそうだ。

百田さんが50歳から作家になり、「海賊と呼ばれた男」で2013年に本屋大賞をとるまでの7年間の人生、10冊の作品を読ませていただいた。百田さんは「読者を意識し、如何に楽しませるかをよくご理解している人」と思った。
友達と会うたびに、百田さんの本をすすめている。










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