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イタリアの小さな街 暮らしと風景 メルカテッロ [学ぶこと]

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建築家井口勝文氏(福岡県出身、1941年生れ)は、ご夫婦で1970年代から、当時留学先のフィレンツェ大学のあるフィレンツェを中心にトスカーナ州で、将来の家を探していた。30歳代からイタリアに住みたいと思っていたわけだ。1993年、52歳になり、友人の紹介でメルカテッロ(ぺーザロ・エ・ウルビーノ県 メルカテッロ・スル・メタウロ)と出会い、ひとめぼれなんだろう、同年の11月に住まいを手に入れた。そして、なんと16年間(大学で教鞭しながらの16年だろう)を掛けて修復工事、70歳の2010年から、残り人生の半分をメルカテッロで、素晴らしい友人達(16年間の中で、酒好きと人柄で、多くの人との出会い)とともに生きて行く。という内容、都市計画家・建築の設計をする立場で1994年から初版の2021年、20年以上をかけて書かれた,たのしく読める内容の本。これからも建物・住まいは娘、孫へと受継がれ生き続けていくわけだ。昨年2023年、13年間が過ぎ楽しいそうな便りをもらった。井口ご夫妻にCin、Cin。
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元気な井口ファミリィ―、左端が町長2023年


メルカコピー.pngメルカート01.jpgグーグルマップより


メルカテッロ・スル・メタウロの町は、1966年発行のイタリアガイドブックTCIでは紹介されていないし、この本の地図にも載っていない。国内でも知られていないごく普通の街ということだろう。この地図からは、「メルカテッロは標高423mの谷あい、ほぼ平坦な台地に旧市街地はある。北と南の川に挟まれた水の豊富な街。旧市街地の広さは楕円形をした凡そ220m×300m、街並み・街路はグリッド状に構成されている。街を二分するように北東・南西にメインストリートが走る。そしてメインストリートの中央に教会のある広場がある。」イタリアの広場が好きで、たくさんの広場を見てきた私が、街の地図を見ても、カミッロ・ジッテ「広場の造形」の見地から見ても、これと言って良い広場のある街とは思えない。しかし、この本を読んで、井口氏の友人、12人のインタビューから郷土愛のすばらしさそして、街で行われる様々なイベント、フェスタなどから1400人の運命共同体を感じ、非常に魅力ある街と思った。つまり小都市国家の小都市国家のイタリアには、私達が知らない、イタリア人にさえ知られていない街がまだたくさんあるということだ。
追記 13世紀半ばに市壁が建設された。彼の家は1486年(礎石に刻まれている)

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