鈴木良雄の人生 [歳とること]
《追憶の風景》より鈴木良雄
(朝日、夕刊100123/記事、藤崎昭子)
新しさより深さだと知った ベーシスト/鈴木良雄
私より4歳年上、今年で64歳のベーシストの鈴木良雄氏の笑顔と人生哲学に引かれ、自分とを照らし合わして考えた。音楽について、新聞記事を抜粋した。
【音楽とは何か】
“音楽とは、スタイルの新旧ではなく、深さなんだと知った。
新しいものばかり追っかけていたが、追いかけることをやめ、日本人である自分しか出来ない音楽、自分の奥からわき上がってくる音楽をやりたいと思いました。”
“空間や間が心地よく、絵が見えてくるような音楽が僕は好き。聞いた後で口ずさめるような、さわやかになれる曲が好きなんです。ジャズも関係なく、自分しか出来ない音楽をずっと求めています。100曲書いても95曲ぐらいは捨てて曲を絞り込むから、新譜を出すのに最低2年はかかる。”
60歳をむかえて考えた
私は、今年で60歳をむかえる。55歳まで、建築意匠をまっしぐら人生だった。マンション、住宅、ビルと数多くの仕事を後ろを振り返ることなくまっしぐらな人生だった。幾度かの曲がり角はあった。その後、意匠の仕事から施工図の作成、マンションのインスペクターの仕事などと仕事の範囲を広げ、別の方向から建築を考えることにした生活。建築という好きな仕事を今まで、夫婦で頑張ってきた。それでも、常に将来の不安がないといえば嘘になる。
私の生活を振り返ると、困ったときには、周りの人が助けてくれる恵まれた環境だと思っている。ここで、後ろを振り返り建築をゆっくりと考えてみたくなった。
建築は住宅にはじまり、住宅に終わると言う。そこで、今まで考えなかった日々変わりゆく住宅。住宅は何かの勉強をはじめた。
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